日本精神神経学会の先生方をお招きして研修を実施しました
2023年8月
神出病院 教育委員会
虐待防止委員会
私たちは、日々「“患者様への思いやりを持った心ある医療”を実現したい」、「“患者様の目線に立って”考えたい」という思いを持ちながら、医療に従事しています。しかし、精神科臨床の現場ではどのように対応したら良いのか難しい患者様も多く、「本当に患者様のためになっているのか」「この対応で正しかったのか」と悩むことが多々あります。こういった職員の悩みや声について、日本精神神経学会にご相談したところ、藤井千代先生(国立精神・神経医療研究センター 地域精神保健・法制度研究部長)、太田順一郎先生(岡山市こころの健康センター 所長)のお二人を講師として派遣してくださり、令和5年7月11日(火)に研修「精神科医療のやりがいとジレンマ」を実施していただくこととなりました。
研修では、精神科医療の基本的なあり方やその変遷についてご講義いただいただけでなく、グループワークを通して、精神科臨床は感情労働であり、やりがいは大きい一方でジレンマも多いことについてお話しくださいました。グループワークでは、多職種間で活発に意見が交わされ、どの職種であっても患者様を思うがゆえに悩んだり葛藤を抱えたりしていることや、他の職種の視点を知ることができ、学びや気づきの多い時間となりました。また、講師の方から最後に「皆さんが頑張ってきたことについて、誇りと自信を持ってください」という温かいお言葉をいただき、職員は非常に勇気づけられました。
研修アンケートには、「他部署も同じ考えだということが良くわかった」「自分の仕事に誇りを持ってやっていれば、患者様へのサービス向上につながると思いました」などの意見や感想が書かれ、本研修を通して、それぞれが精神科医療や日々のケアについて考えを深めることができました。
貴重な機会をくださった日本精神神経学会ならびに講師の方々には、大変感謝しております。今回得た学びや気づきを日々の臨床に活かし、患者様をはじめ地域の皆様のお役に立てるよう努力してまいります。